10年前の自分から。心震えるメッセージが届く。
今日は家族の誕生日・朝食会から戻って、せっかく早起きしたので片付けをすることに。 ずっと、気になっていた古い資料の束を整理してみると…。
今から約10年前、当時、私が社会人大学院生として、ある会社横断的な勉強会の事務局をしていた時の資料が出て来たのです。
私が担当したチームには、各業界の大手6社の人事の方が参加していました。
・通信のND社 ・IT系のI社 ・自動車のN社 ・運輸系のTM社 ・証券のN社 ・匿名で表現し難いJT社
のヤル気溢れる面々です。
各社共に「キャリア開発と人事制度」というテーマに興味があったものの、既に社内のコンセンサスもある程度揃って、実際に取り組み始めている会社と、これから取り組むこと自体を検討しようかという段階の会社が混ざっていたため、進め方についてとても悩みました。
私の指導教授に相談したところ、「富士ゼロックス社の取り組みが素晴らしいので、そこをベンチマークして研究し、その上で各自が自社と比較してはどうか?」というアドバイスをもらい、人事の担当者の方も紹介して頂きました。
そして、メンバーみんなで人事の方にお話を伺った時の資料がこれです。 (残念ながら、中身はお見せ出来ずに申し訳ありません)
富士ゼロックス社の考え方や取り組みは、本当に素晴らしかったです。 何がと言えば、
まずは1980年代から今ちまたで流行の「ワークライフバランス」の考え方を「New Work Way」として、「社会人と家庭人としてのバランスを大切にする働き方をどう実現するか?」というテーマで取り組まれていたこと。
1990年代に既に、ミッションステートメントやシェアード・バリューを制定し、そういう会社の大方針に対して、人事はどのように人事制度や新しい仕組みに落とし込んで実現するか?に取り組まれていたことです。
ともすると、業績評価の陰で、形骸化しがちな「コンピテンシー」を「キャリア形成」と強く紐付けて、キャリア相談室の制度や生涯設計、柔軟な雇用形態の模索などに取り組まれていたことです。
この富士ゼロックス社への訪問は、私自身が強く刺激を受け、私の人事業務に対する認識を大きく変えた出来事として、忘れたことはありませんが、資料に書き込まれているメモを見て、あの時の気持ちが鮮明に蘇って来たのでした。
当時はまだ、現在勤務している会社の前身となる会社への転職もまだ決まっていなかった時期でした。それでも、
「いつか、自分が人事に深く関われる機会が来たら、働く人、一人ひとりの成長を助けられるような仕事がしたい!」
と強く強く思っていたことを思い出したのです。
そして、資料の裏面の余白には、
「個人事業主としての雇用」「プロジェクト毎の再雇用」「50代のキャリアの捉え方」
など、最近の働き方として注目されるキーワードや、今でも自分の関心事である内容のメモが書いてありました。 10年以上経っても、私の軸は変わっていない。むしろ、「やっぱり、それが大切だと思っているんだな」という確信を得て、震えました。
富士ゼロックス社への訪問の約半年後、転職が決まりました。 そして、その1年後位に本当に偶然にこの富士ゼロックス社の人事制度の根幹を作った(元富士ゼロックス社の)Hさんと一緒にプロジェクトを進めることになり、本来の人事制度の設計とは?について、実務の面で学ぶという貴重な機会を得ました。
残念ながら、その会社が現在の会社と統合することになり、人事制度の改定プロジェクトは途中になってしまいましたが、今のコンピテンシー評価の仕組みを作るにあたって、またHさんにご協力いただくなどご縁はつながっています。
今回、この古い資料を発見して、10年前の自分から
「まだまだ道半ば!!!」
というメッセージを受け取った気がしました。
どこかで、「裏表なく善い行いを続けていると、因果応報のスピードが早くなる」と聞いたことがありますが、 今朝、眠い目をこすりながら、家族孝行をしたことで、この資料が見つかり、「アプローチを変えたとしても、まだまだやることは沢山ある!!!」と思えたのも、その一環かもしれないな〜と思いました。