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カイトチカの日記

Life Solution Energyとして、エナジャイズする記事をお届けします

「転地」のススメ。自分を生かす場所を探す。

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ETV特集「移民の国に咲いた花~日本ブラジル120年~」

何気なく観たEテレのドキュメンタリーがとても面白かったです。

(再放送は12月5日 0:00から)

www.nhk.or.jp

ブラジルを代表する芸術家の大竹富江さん。

戦前の京都育ち。 おばあさんから、いつも

「何で親の言う事を聞けないのか」 「何で女性らしく、普通にできないのか」

と怒られて育つ。 周囲からは、

「自己主張が強く、いつも周囲とぶつかるような、不良っぽい女の子」

という目で見られていたそうです。

そんな彼女は、20歳そこそこで、ブラジルへの移民船に1人で乗り込むという行動に出ます。 インタビューの中で、40日間の航海の後、初めてブラジルの地に着いた時の感想をきかれ、

「ブラジルの太陽は眩しく、自由な空気を感じた」

と目を輝かせて語っていました。 1人で初めて遠い国に来て、「希望」>「不安」というのは相当に肝がすわっているし、日本での生活が彼女にとっていかに窮屈だったかということが伝わって来ました。

そして、ブラジルで結婚。大戦という日系人にとって厳しい時代を経て、40代になって絵画を始め、その後は、既存のやり方とらわれない様々な表現を通じて才能を開花させ、国民的な芸術家になります。

私は、日本からブラジルやカナダに移民した方々と結構ご縁があります。 これまで出会った日系カナダ人の1世、2世の方々から、戦時中の収容所に入っていたことなど、大変な体験を直接伺う機会もありました。

今回、この放送を通じて、ブラジルの日系人は収容所に入ることがなかったということを知りました。 ブラジルの憲法には、「国籍や人種に関係なく、全ての人が自由と平等の権利を有する」という考えが明文化されていて、それ故に敵国からきた移民であっても特別扱いしないということが守られたそうです。

そして、移住の理由として、大竹さんのような女性、つまり「日本という場所が窮屈で生き難かった」という思いの人もいたということを知りました。 現在でも、まだまだ男性・女性の役割やあり方が議論されていて、結論が見えない位です。 今から80年も前の戦前の日本において、強い意志と才能、エネルギーを持った女性が、伝統的な慣習の中で暮らすことが、どれ程苦しかっただろうと想像しました。 大竹さんは、材木屋の娘として比較的裕福な生活をしていたにもかかわらず、1人でブラジルという遠い国に賭けた。その強い意志に思いをめぐらせました。

些細なことですが、海外に出て、やっと自分らしさを発見したという経験が私にもあります。

留学先のフランスの学校でのことです。

授業の中で、先生が「この空欄に入る答えは何ですか?」という問いかけをしました。 すると、学生側から次々と手が上がり、いくつもの違う意見がどんどん出た時の驚きを今でも覚えています。

「自分はこんな違う答えを考えた」「他の人が気付かなかったことを言います」と。

「人と違うこと」を声に出す事が長所になるという価値観に初めて生で触れた経験でした。 クラスにはフランス人だけではなく、イタリア人、ドイツ人などの外国人もいました。彼らもフランス語がそんなに上手では無いのに、めげずに発言出来るメンタルの強さも驚きでした。

先生は、一つひとつの意見によく耳を傾け、「なるほど、そういう考えもあるね」と、角度の違う考えや答えが複数あるのは当然というスタンスです。 教室内も、自分と違う意見を言う人を笑うどころか、「面白い、違う見方を教えてくれてありがとう」という雰囲気なので、授業がとても盛り上がります。

日本の場合。

まず手をあげて発言するというのは結構な勇気が必要です。

そして、誰かが、正解を言ったら、それ以降は手をあげる人がいないのが普通。 1つの問いに対する正解は「1つ」だと、当然のように前提を持っています。 思慮深い人はあえて積極的に発言せず、黙っていることもしばしばで、場を乱さないように、なるべく早く意見をひとつにまとめようとする空気が流れるように感じていました。

私は、心の中で、「答えは本当に1つしかないのだろうか?」ということに対して、ずっと疑問に思っていました。 でも、それで議論をする勇気もなかったですし、そんなことを考える自分がおかしいのかもしれない思い、黙っていたのでした。

だから、フランスの教え方が日本と真逆だと知った時の驚きと喜びはとても新鮮でした。

世界は広い。

自分が今いる所だけが世界のすべてではないと、若い時に知る事ができた私は幸運でした。

面白いことに、中学からアメリカの学校に行った弟や、カナダに住んでいる幼なじみが、以前同じことを言っていました。 「今いる場所では、自分を隠さなくてもいいから、自分らしくいられる」と。

ここで言いたいのは、決して「日本がダメ」とか「外国がいい」と言う事ではありません。

「所変われば、価値観もいろいろ」なので、違うと思ったら、ちょっと「場所を変えてみること」をおススメしたい、ということです。

そして、場所を変えるということは、必ずしも遠くに出かけるということでもありません。

普段読まないような本を手に取ってみるとか、新しいコミュニティに入ってみることで、自分の視点や住む世界が変わるということも含まれています。 また、「もう年だから」「誰もやった事がないから」とか、根拠の無い縛りを外すことも含まれるかもしれません。

もし、今いる場所が息苦しかったら、自分を無理矢理閉じ込めて、誰かの物差しに合わせる前に、場所を変えてみることを是非試してみてください。

自分が生き生き、伸び伸びとした気持ちで、活かせる場所はきっとあるはずです。

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