カイトチカの日記

Life Solution Energyとして、エナジャイズする記事をお届けします

笑われてもいい。仕事には「愛と情熱」が必要ですね。

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最近、アメリカの航空会社の対応について、何かと話題になることが多いですね。

そんな中で、JALの「こいのぼりフライト」の記事を読んで、なんとなくホッとした気持ちのGWです。

日本の航空会社で働いている人は、基本的に「航空会社で働きたい!」と思って入社した人が多いと思います。「空が好き」「飛行機が好き」「旅が好き」そして、「お客さまの笑顔が好き」という人たちの集まりです。

JALは官僚的だ」「JALのサービスは…」と言われることも多かったのですが、特に現場の社員は、それも「お客さまからの大きな期待のあらわれ」なのだと受け取っていたと思います。

新人1年目のGWの時期。私は成田の寮に住んで、成田空港支店で勤務していました。

サービス業に従事する人は、GWなど世間がお休みの時が繁忙期。

GWに少しでも戦力になるようにと行われた厳しい研修の後、大混雑の空港の中で仕事をしました。大変だったと思うのですが、その忙しさは、自分が組織の一員として、微力でも役に立てているという実感がありました。

緊張の連続でしたが、とにかく仕事に行くのが楽しくて、新しい知識や機械操作を覚えたり、教えられていないイレギュラーになんとか対応できた時の喜びや、失敗した時にものすごく怒られて、その責任の大きさを痛感したり…。自分の勤務時間はあっという間に感じるほどでした。何より、お客さまと接するのが嬉しかった…と今でもその光景が目に浮かびます。

シフトによっては、朝は4時起き、帰りが0時近いこともありましたが、「働くのって、緊張するけど、やりがいあって楽しいね。」と同期で話したことも思い出されます。また、成田という土地柄、ほとんどの人が会社の寮か社宅に住んでいて、休みも平日なので、近くでテニスをしたり、買い物や食事に行った先で会ったり、どこか家族的なコミュニティのつながりもあったように思います。

空港で働くと言っても、全くお客さまと直接顔を合わせない仕事の人も沢山います。

愛想のない厳ついランプさん(出発時の航務全般を仕切る人)や強面の空港マネージャーなど、「この人をお客さまの前に出して大丈夫?怖いし…(ブルブル)」というような人もいました。でも、よーく話してみると「自分なりのお客さまへの正義」みたいなものを貫いていて、知識も驚くほど多く、定時運行に強い使命感を持っていたり、空港のシステムダウン、台風や大雪などの緊急対応時にはめっぽう頼りになる人たちでした。

空港の近くには、到着したスーツケースが、途中で乱暴な扱いを受けて、凹んでしまったのを直す会社の人などもいました。全くの影の仕事をしているその人も、「顔も知らない方だけれど、思い出の詰まったスーツケースだから、なんとか直して差し上げたい」という気持ちで仕事をしているのを知って、新人としてすごく勉強になりました。だからこそ、直接お客さまと接する自分たちは、頑張らなくてはいけないんだ!と思いを新たにしました。

後に、本社の部門で、広い会社の中に埋もれている「サービスの達人」を全社に紹介するという仕事をするのですが、この現場経験がとても役に立ちました。

また、客室の訓練部で、ある教官に言われたことがあります。

「まずは、お客さまが求める標準レベルを全員が出来るようにならなくてはならない。誰かが飛び抜けて素晴らしく、誰かが全く期待ハズレでは、お客さまの支持は得られない。まずは自分とチームのレベルを引き上げて、創意工夫はその次に大いにやれば良い」

はじめに聞いた時には、その意味がよくわかりませんでしたが、日本の航空会社のサービスが諸外国に比べて良いとされるのは、その標準レベルが保たれているからかなと今は思います。

当時から、とにかくお客さまに喜んでいただきたくて…という新しい企画を作る人も沢山いました。

「(恥ずかしがり屋の)機長のアナウンスのレベルをもっと上げよう」

「(理工系男子の秘密の花園的な)整備スタッフがお客さまと接するチャンスを作ろう」

今では、当たり前になったことばかりです。

JALも厳しい時代がありましたが、それでも飛行機に関わる仕事を愛する人たちが会社を支えてくれていて、だからこそ、この「こいのぼりフライト」が出来たのでは?と思うと、変わらない部分と新しくバージョンアップした部分があることを感じます。

このニュースを聞いた時、幸せな気持ちになりました。

実は転職した前職で、私が「この会社に必要なものは'愛と情熱’です!!」と力説して、「うわー、カイトさんらしいわ〜」と笑われたことがありました。私は200%本気で言っていたのですが、伝わっていたかな…(涙)。

航空会社のサービスの差別化が難しい時代ですが、日本の航空会社に「愛と情熱」がある限り、希望があるのではとやっぱり思ったGWでした。

www.jal.co.jp