カイトチカの日記

Life Solution Energyとして、エナジャイズする記事をお届けします

より美味しく頂く為の「デカンタージュ」と「燗つけ」

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出典:riedel HP

ワイン用語に「デカンタージュ」という言葉があります。

デキャンタにワインを移すことを言うのですが、目的は大きく4つ。

  1. ボルドーなどの年代物のワインは瓶の中に澱が溜まっている場合が多く、ワインと澱を分けて口当たりをよくするため

  2. カーブなどにあった温度の低いワインを室温(16-18度くらい)に戻して、飲み頃の状態にするため(シャンブレといいます)

  3. ワインを空気に触れさせて、香りや味わいを開かせるため

  4. デモンストレ−ション的な効果を出すため

目的1の年代物とは、少なくとも10年以上、20年、30年もののワインを開ける場合には、特に慎重に手順を間違えずにやらないと、瓶の中で澱が舞ってしまったり、ワインを一瞬のうちに劣化させるということもあり得ると言われています。ちなみに、ソムリエ試験の2次試験はこのデカンタージュの一連の流れを試験官の前で行います。

目的2,3については、必ずしもデカンタージュだけではなく、大振りのワイングラスにワインを注いで、しばらく待つということでも代用出来ます。

デキャンタも最近ではいろいろな形があるようです。

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出典:riedel HP

こういう形は機械でなくて、手ふきで作るみたいですね。素敵だけれど、家では、置き場に困りそうですし、洗うのもちょっと大変そう…。

ただ、このクネクネをワインが通ることで、より振動がなく、滑らかにワインが空気に触れられる効果があるらしいです。

年代ものの良いワインをレストランで、本当に美味しく飲みたい場合には、席の予約の際に、ワインも予約しておくという方法をお薦めします。

一流レストランのソムリエは、お客さまが飲まれるタイミングから逆算して準備を始めます。カーブから出して、シャンブレするとか、デカンタージュのために、瓶をパニエに入れる、デキャンタを洗浄したり、ロウソクやライトなどの備品の準備もしておく必要があるからです。

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出典:riedel HP

確かに、こんな感じでレストランで注がれたら、目的4のデモンストレーションの効果は絶大ですね。周囲の注目を集めるのは間違いないです。ちょっとバブリーな感じもして、目立ちすぎて恥ずかしいかもしれませんが…。誰かのお祝いなどだったら、特別な感じが出ると思います。

料理通信』の3月号を買いました。

この号は、日本酒を取り扱うお店が特集されているのですが、その中で「燗付け名人に教わる燗仕事」という記事があります。

この記事、われらがDRESS日本酒部の浅井部長の企画された記事です。

一昔前は、「燗酒は野暮」みたいに言われていた気もするのですが、今は「燗酒ブーム」という位、燗が注目されています。

それも、ただ温めれば良いというものではなく、

・どんな手順で温めるか

・どんな容器で温めるか

・何度まで温めるか

・どんなお酒(生、火入れ、熟成など)を温めるか

みたいな事を専門家たちがいろいろ試して、そのお酒が持っているポテンシャルを最大限に引き出す飲み方を探っている記事で、とても勉強になりました。

高級レストランのワインに比べると、日本酒はもっと身近でカジュアルな雰囲気がありますが、本当に日本酒を愛するお店では、管理やサービスにもこだわっていることがよくわかりました。

例えば、開栓してから、常温で寝かせて保管しておくことを「お酒を育てる」という表現を使っていましたが、これはワインにも共通する考え方だなと思いました。 大振りのワイングラスで日本酒を提供するなども、より一層日本酒を美味しい状態で飲むための工夫なのだと思います。

ワインにしても、日本酒にしても、つくり手の強い思いが込められた作品を頂くわけです。かしこまらずに気軽に楽しむことと同時に、いろいろ知識があると楽しいですし、なにより正しい方法で飲むことで、「本来の美味しさ」を味わえることになるのだと思います。

私は今、日本酒を勉強中なのですが、料理通信のこの号はこれまで見た本の中でも実用的な内容ばかりで、保存版になりそうでお薦めです。 載っている広告などから、業界の人にも読まれている本のようです。それだけに読み応えがある内容になっているのでしょうね、きっと。